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【鑑賞日記】ダイアローグ・イン・ザ・ダーク

真っ暗闇、体験したこと、ありますか?

どんなに目を一生懸命に見開いても、闇は、闇。

真っ暗。何も見えない。一滴の光すら感じない・・

それも、2時間・・・

でも、怖くなかった・・・

むしろ、人間の「優しさ」が自ずと引き出される、そんな時間でした・・・

こちらです。

『ダイアローグ・イン・ザ・ダーク』

体験型の企画。

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完成したばかりの新国立競技場の目の前にある、ホテルの2階。

一回の体験につき、定員は8名。

この日は、私と友人計二人を入れて、見知らぬ男女7名が参加。

アテンドは、視覚障害者の方。

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裸足で、闇の中、どんどん進み、さまざまな体験をします。

白杖一本、自らの力で、参加者と声を掛け合い協力しあって、行なう。

最初の何分かは、一歩進むのも不安でした。

部屋のレイアウトも、この先なにがあるのか、方角も、わからないまま始まってしまう。

声と言葉と反響を注意深く聞き、距離感をつかみながら、とにかく進むしかない、やるしかない。

歩く。座る。立つ。砂利の上。木の葉の上。大きな木の幹に抱きつく。

水に手を入れる。指の間を水をくぐらせる。感じる。

たらいのお湯に足を入れる。感じる。足を手ぬぐいで拭く。

最後は「檜舞台に上り、杖なしで”真っ直ぐに往復”する」ところまで、できてしまう。

闇の中でのお昼寝も・・・

上下左右もよくわからなくなり、宇宙空間にいるような感覚も一瞬だけ・・・

全行程2時間の中で、それぞれに、濃密なものをつかむんです。

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HPでは「内なる美、ととのう暗闇」と謳っています。

からだの声を聞く、とはよく言いますが、まさに、そんな瞬間もありました。

痛めている核のところが際立ってわかったり、

足湯をしてほどなくしたときの、体の芯から全身にあたたかさが浸透していく感覚とか。

また、これまで何をするにも、漫然とやり過ごしていたことに気づかされました。

なんと荒っぽく、雑に、生きていたことか。

空間の感覚も、時間の感覚も、いつもとは全く違った。。。

私の場合は、その場ではわからなかったのですが、あとから、いろいろ来ました。

ふと、気づくと、この日の感覚を何度も”リプレイ”しています。

聴覚、嗅覚、触覚と、それ以外の、なにか別の感覚が呼び覚まされるような。

あらゆる感覚が、否が応でも研ぎ澄まされる、ということも、わずかに実感できました。

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主催のダイアローグジャパンソサエティの代表は志村季世恵さん。

日曜深夜のJ-WAVE『ダイアローグ・イン・ザ・ダークネス』にご出演。

私にとっては、エフエム世田谷『白倉律子カフェレアール』に数回ゲストにお越しいただいた、忘れられない女性です。

樹木希林さんに最期まで寄り添っていらしたバースセラピストの方として、ご存知の方もあるかも。。。

ご著書『いのちのバトン』はおすすめです。

以上、11月27日体験。